ピアノの楽譜に「S」を横向きにしたような装飾記号がついていることがありますが、それが「ターン(turn)」という記号です。

この記事では、「ターン」の意味や記譜法、演奏時のコツについてわかりやすく解説します。

ターン(turn)とは?

ターン(英:turn)は、主音の上下の音を装飾的にくるくると挟むように弾く装飾記号です。

バロック~ロマン派の作品でよく見られ、演奏に優雅さや即興的な雰囲気を加える効果があります。

使用例
モーツァルトやショパンの楽譜に多く登場し、特に旋律を飾る際に頻繁に使用されます。

ターンの楽譜での表記

ターンの楽譜での表記

ターンは下記のような記号で記されます。

  • ターン 音楽記号(横向きのS字):基本的なターンの記号です。
  • 補足音付きのターン:記号の下に「縦棒」「臨時記号」が付く場合もあります。
  • 反転ターン(inverted turn):上下の音の順序が逆になります。

ターンの弾き方とタイミング

ターンの弾き方とタイミング

ターンの弾き方は以下のようになります。

  • 主音のすぐ上の音から始めて → 主音 → 主音の下の音 → 主音に戻る
  • 音価が短い場合や速い曲ではテンポに注意して素早く演奏します。
  • 主音の直前に入れる場合(予備音のように扱う)と、主音の中に組み込む場合があります。

ターンと似た装飾記号との違い

ターンと似た装飾記号との違い

ターンに似た装飾音には下記の記号があります。

モルデント(mordent)
主音とその下の音をすばやく1回だけ行き来する短い装飾音です。

トリル(trill)
主音とその上の音を素早く何度も交互に連続して演奏します。ターンよりも長く反復される点が特徴です。

それぞれの記号は曲調や作曲家の意図によって使い分けられます。

まとめ

ターン(turn)は、ピアノ演奏に華やかさと表情を加える大切な装飾記号です。

表現力を磨くためにも、正しい弾き方と音の流れを意識して練習してみましょう。