グリッサンド(Glissando) とは、楽器演奏において、音階を滑らせるように連続して鳴らす奏法のひとつです。

語源はフランス語の「glisser(滑る)」とされ、文字通り「鍵盤を滑るように駆け抜ける」というイメージを伴います。

語源:フランス語で「滑る」
特徴:音階を連続的に素早く弾き、一気に駆け上がったり駆け下りたりする。

グリッサンドの記号・楽譜上の表記

ピアノでグリッサンドを行う場合、白鍵や黒鍵を指(爪先や指の側面)で一気に滑り下ろすように弾くのが一般的です。

下行方向(高音域から低音域へ)に行ったり、逆に上行方向(低音域から高音域へ)に駆け上がるグリッサンドもあります。

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グリッサンドの使われ方

クラシックからポップス、ジャズまで様々なジャンルで使用され、曲のクライマックスや印象的なフレーズに取り入れることで演奏に華やかさや勢いをつけます。

比較的短い区間をさらっと駆け抜けるものから、鍵盤全域を一気に下りるものまで、さまざまなバリエーションがあります。

グリッサンドの弾き方:初心者向けステップ

初心者向け ピアノの弾き方と練習ステップ

1.どの音域・方向で行うかを決める

まず、鍵盤上でどの範囲をグリッサンドするのか、下行・上行どちらで弾くのかを明確にしましょう。

初心者の場合は白鍵のみの短い音域から始めると、指を傷めにくく、感覚をつかみやすいです。

2.ゆっくり感触を確かめる

いきなりスピードを出すのではなく、指先や指の腹・側面を使って、鍵盤を数音だけ滑らせる練習をしてみてください。

角度や力加減が合っていれば、スムーズに動かせるはずです。

3.指の当て方を工夫する

指の腹をべったり当てると引っかかったり痛めたりしやすいため、やや斜めにして爪先や指先の側面を使うと滑りやすくなります。

手首や腕はリラックスし、腕全体で流れるように動かすことが大切です。

    中級~上級者向け:グリッサンドを弾くポイント

    中級~上級者向け ピアノの弾き方と練習ステップ

    黒鍵のグリッサンドに挑戦

    黒鍵のグリッサンドを行う場合もあります。

    黒鍵は指が引っかかりやすくなるため、指の腹で滑らせると弾きやすくなります。

    ペダルと組み合わせる

    グリッサンドを弾く際にペダルを踏むと、連続した音が一層つながりやすくなり、派手な響きを得られます。

    ただし長距離をグリッサンドする場合は音が濁りやすいので、ペダルを踏み替えるタイミングに注意しましょう。

      よくある質問(Q&A)

      ピアノ初心者によくある質問(Q&A)

      Q1. 指や手を痛めないためのコツは?

      指を鍵盤と垂直に当てると痛めやすいため、爪先の先端や指の側面を使って斜めに滑らせると負担が軽減されます。

      また、無理に腕や手首を固定しないでリラックスして動かすのがポイントです。

      Q2. グリッサンドの音量や速度はどう調整すればいい?

      基本的に音量は鍵盤を押さえる強さによりますが、強く当てすぎると指痛めるリスクが高まるので気をつけましょう。

      速度に関しては、曲の盛り上がり方を考えつつ、テンポに収まるように調節しましょう。

      Q3. 白鍵のグリッサンドと黒鍵のグリッサンドで違いはある?

      白鍵のみの方が指を引っかけにくく、初心者にとっては安全で弾きやすいです。

      黒鍵のグリッサンドは指の腹を使って、指を痛めないようにより注意しながら弾きましょう。

      まとめ

      グリッサンドは、ピアノ演奏のなかでも特に派手で印象的なテクニックです。

      鍵盤を一気に滑り降りる(または滑り上がる)ことで、ドラマチックなサウンドを瞬時に作り出すことができます。

      ぜひ今回のポイントを参考に、ぜひグリッサンドを演奏に取り入れてみてください。