楽譜を読むとき、まず最初にぶつかる壁が「音符の読み方」です。
とくにピアノ初心者の方は、「どの音符がどれくらいの長さなの?」「休符ってどう数えるの?」と分からないところが色々でてくるのではないでしょうか?
この記事では、初心者の方でもわかりやすいように音符や休符の種類を解説していきます。楽譜をスムーズに読めるようになれば、ピアノ演奏がさらに楽しくなるはずです!
音符の基礎知識
楽譜の基本構造

音符を学ぶ前に、まずは楽譜の基本構造を簡単におさえましょう。
ピアノの楽譜は通常、五線(線が5本)を2段使い、上段はト音記号で右手を、下段はヘ音記号で左手を表すことが多いです。

- 小節線で拍ごとに区切り、一つひとつのブロックを「小節」と呼びます。
- 拍子記号によって1小節に入る拍数が決まり、4分の4拍子なら1小節に4拍、3拍子なら3拍が基本というルールです。
拍(ビート)と音符の関係
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音符は、1拍の長さを基準にして「どれくらいの長さ」を持つ音かを示しています。
- 4分音符が1拍なら、2分音符はその2倍の長さ(2拍)を表し、8分音符は半分の長さ(0.5拍)になります。
- さらに、16分音符・32分音符といったように細かくなっていきます。
代表的な音符の種類と読み方
ここでは、ピアノ初心者が最初に覚えておきたい代表的な音符を紹介します。
全音符

- 形:塗りつぶしていない○のような形(符頭のみ、棒なし)
- 長さ:4拍分(4分の4拍子なら1小節まるごと伸ばすイメージ)
- 特徴:曲の中では長く伸ばしたい音を表すときによく使われます。
2分音符

- 形:塗りつぶしていない○に縦棒(符頭と符尾)
- 長さ:2拍分
- 特徴:4拍の中で2拍ずつ音を保つときによく現れます。
4分音符

- 形:塗りつぶされた○に縦棒
- 長さ:1拍
- 特徴:最もよく使われる音符で、1拍をしっかり刻むイメージです。
初めて音符の読み方を学ぶときは、この4分音符を基準に考えると理解しやすいでしょう。
8分音符

- 形:塗りつぶされた○+縦棒+旗が1本
- 長さ:0.5拍(4分音符の半分)
- 特徴:速いリズムを表すときに使われます。
2つ以上連なるときは、旗の部分が連桁(れんこう)として横線で繋がる場合が多いです。
16分音符

- 形:8分音符に旗が2本
- 長さ:8分音符のさらに半分(0.25拍)
- 特徴:1拍を4つに分けるイメージ。リズムが細かい場面で登場します。
休符の種類と読み方
音符だけでなく「音が鳴らない部分」を示すのが休符です。
ピアノ初心者の場合でも、リズムを正確に取るためには休符をしっかり理解し、休む長さを守ることが大切です。
全休符

- 形:譜線の下に垂れ下がった四角いブロック
- 長さ:全音符と同じく4拍休む。
- 使用例:1小節を全部休むときに使われます。
2分休符

- 形:譜線の上に乗っている四角いブロック
- 長さ:2拍休む
- 使い分け:全休符と同じ形状に見えますが、上に乗っているか下に垂れているかで判別します。
4分休符

- 形:独特のジグザグした形の記号
- 長さ:1拍休む
- ポイント:4分音符と合わせて「1拍の音」「1拍の休み」を使い分けるとリズムが取りやすくなります。
8分休符

- 形:旗が1本のような形状
- 長さ:0.5拍休む
- 特徴:リズムが速い曲で頻繁に登場し、テンポ感や刻みを際立たせます。
16分休符

- 形:旗が2本のような形状
- 長さ:0.25拍休む
- 特徴:リズムが速い曲で頻繁に登場し、テンポ感や刻みを際立たせます。
付点音符と付点休符 (×1.5)

付点音符とは、もともとの音符の長さに「その半分の長さ」を足した音符です。
たとえば、2分音符(2拍)に付点が付くと、その2分音符の長さにさらに1拍(2分音符の半分の長さ)が加わり、合計3拍分になるという計算です。
例:付点2分音符

- 通常の2分音符:2拍
- 付点2分音符:2分音符(2拍)+その半分(1拍) = 3拍
付点2分休符

付点音符と同様、休符にも付点を付けることができます。付点2分休符は3拍分の休みを指します。
- 通常の2分休符:2拍休む
- 付点2分休符:2分休符(2拍)+その半分(1拍) = 3拍休む
ピアノ初心者が楽譜を読めるようになるためのポイント

拍子を意識してカウントする
音符や休符の長さは、基本的に拍子記号に合わせて考えます。4分の4拍子なら4拍、3分の4拍子なら3拍を基準に数えてみましょう。
メトロノームを使いながら「1、2、3、4…」と声に出してカウントすると理解しやすいです。
一度に全てを覚えようとしない
音符や休符には8分音符や16分音符、さらに32分音符など細かいものまで多種多様です。
最初は4分音符と4分休符、2分音符あたりを目安に覚え、徐々に8分音符や16分音符へ広げるステップを踏むと混乱が少なくなります。
実際に弾いてみる
「音符 読み方」は理論だけでなく、実際にピアノで鍵盤を押しながら体感するのが一番の近道です。
4分音符を1拍分しっかり伸ばす、8分音符を半拍で区切る、休符で手を離すなど、身体でリズムを覚えましょう。
好きな曲の楽譜を参考にする
教本だけでなく、自分が好きなピアノ曲の楽譜を見ながら「これは4分音符、ここは8分音符」とチェックしてみましょう。
好きな曲なら、弾きたいというモチベーションが高まり、読譜力の向上につながります。
よくある質問(Q&A)

Q1. 音符の長さが合っているか自信がない…
A. メトロノームを使って拍を確認しながら弾くのが効果的です。
最初は遅めのテンポで確実にリズムを取れるようにし、慣れてきたら少しずつテンポを上げると良いでしょう。
Q2. 休符のとき手をどこに置けばいい?
A. 休符中は鍵盤から指を離しますが、次の音を弾きやすいように手首や腕はリラックスした状態を保ってください。
初心者のうちは休符を「休みすぎて次の音が遅れてしまう」ケースもあるので、拍数をきちんと数えてタイミングを図りましょう。
Q3. 8分音符や16分音符で頭が混乱します…
A. リズムが細かくなると難易度が上がります。
まず4分音符から1拍を安定して刻めるようになり、8分音符を1拍2つに分ける練習を繰り返してください。
16分音符はその応用で1拍4つに分ける形になるので、だんだん慣れていきます。
まとめ

音符の読み方をマスターするには、音符や休符の種類と長さを正確に理解し、実際のリズムに落とし込む練習を繰り返すことが重要です。
- 基本の音符と休符(全音符、2分音符、4分音符、8分音符、全休符、2分休符、4分休符、8分休符)
- 拍子やテンポに合わせた長さの把握
- メトロノームを活用しながら実際にピアノを弾いて体感する
これらをしっかり身につければ、ピアノ初心者でも楽譜を読むハードルが一気に下がります。
練習を重ねれば、きっと楽譜を見ただけでリズムが頭の中に流れてくるようになります。
ぜひ今回の解説を参考に、音符の読み方を身につけて、楽譜をスラスラ読めるピアノ奏者を目指してください。