初めてピアノを検討する方には、「電子ピアノとキーボードは、何が違うの?どちらを選べばいいの?」と迷われる方は多いと思います。先に結論からお伝えしますと…
- “ピアノの練習” が目的なら電子ピアノがおすすめ。
- “軽さ・持ち運び・多機能” を重視するならキーボードが便利。
とはいえ実際に購入するとなると、鍵盤数・タッチ・ペダル・置き場所・価格帯など、細かな判断基準がいくつもあります。
この記事では 、読者の皆さまが迷わず選べるようポイントをわかりやすく解説していきます。
電子ピアノとキーボードの違い
鍵盤タッチと演奏感
項目 | 電子ピアノ | キーボード |
---|---|---|
鍵盤数 | 88 鍵が基本 | 32〜76 鍵が主流 |
タッチ | ハンマーアクションで重みあり | 軽いスプリング式が多い |
向いている用途 | 本格練習・レッスン | 弾き語り・作曲・持ち運び |
電子ピアノにはアコースティックピアノに近いハンマー機構が内蔵されており、指の力や強弱表現をしっかり養えます。
一方、キーボードは軽いタッチで連打やコードストロークがしやすく、多彩な音色を楽しめるのが魅力です。
音の出し方と表現力

- 電子ピアノは高品位サンプリング音源を搭載し、弱く弾くと柔らかい音、強く弾くと硬い音に変化します。
- キーボードは数百種類の楽器音や自動伴奏を内蔵しています。ピアノ音色も年々リアルになっていますが、強弱の幅は機種によって差があります。
用途と価格帯の目安
目的 | 最適候補 | 価格帯 (税込) |
---|---|---|
レッスン・発表会対策 | 電子ピアノ | 3〜30 万円前後 |
気軽な弾き語り・作曲 | キーボード | 1〜10 万円前後 |
省スペース・持ち運び | 電子ピアノ(61鍵・折りたたみ) キーボード | 1〜5 万円前後 |
鍵盤の重みのある電子ピアノで練習効果を高めるか、薄くて軽いキーボードで省スペースと多機能を取るかを検討してみてください。
子どものレッスン用に選ぶポイント

お子さんのレッスン用に選ぶ際は、習い始めこそタッチが大切ですので、キーボードではなくピアノがおすすめです。
- フォームと指の筋力が育つ
ハンマーアクション鍵盤は押し込みと戻りがあり、正しいフォームを覚えやすいです。 - 強弱表現を学びやすい
基礎が終わるとすぐに「ピアノ(弱く)」「フォルテ(強く)」の弾き分けが課題になります。軽い鍵盤だと音量差がつけにくく苦労しがちです。 - 教室とのギャップが少ない
レッスン室のアップライトやグランドピアノと似たタッチなら、自宅練習の違和感が減り、モチベーションが続きやすくなります。
キーボードのメリット

- 持ち運び:5 kg 前後なら屋外演奏やスタジオ練習に気軽に持参できます。
- 多彩な音色:弦・管・シンセ・ドラムまで搭載し、作曲や DAW 入力にも便利です。
- コスト:スタンドとペダルをそろえても 3 万円台で始められるモデルが豊富です。
- 省スペース:幅 1 m 未満、奥行 30 cm 以下のモデルが多く、一人暮らしの部屋にも置きやすいです。
ただしクラシック曲を本格的に弾き込む場合は、いずれタッチの軽さが物足りなくなると思いますので、電子ピアノの方がおすすめです。
購入前チェックリスト

- 鍵盤数:クラシックを視野に入れるなら最終的に 88 鍵が必要です。
- タッチレスポンス:説明文に「ハンマーアクション」「グレードウェイト」「タッチ調整」などの記載があるか確認しましょう。
- ペダル:右ペダル(ダンパー)が標準付属か、別売かを要チェックです。
- スピーカー出力:自宅練習には左右合計 20 W 程度あれば十分です。
- サイズ・重量:搬入経路を含めて測定し、設置後の移動も想定しておきましょう。
- 保証・アフターサービス:電子部品の故障に備え、3〜5 年保証があると安心です。
大人から始める方/大人再開組の方へ
疲れにくいタッチを選ぶ

大人になってから再開する場合、指の筋力が落ちていることもあります。
ハンマー鍵盤の中でも比較的軽めのモデルを選ぶと、長時間練習しても肩や腕が疲れにくいです。
ヘッドホン練習で続けやすさアップ

電子ピアノはヘッドホン端子が標準装備です。仕事終わりに 30 分だけ練習するといった習慣が作りやすく、夜間でも気兼ねなく弾けます。
録音機能で成長を可視化

多くの電子ピアノは録音が可能です。月ごとに録音を残しておくと、フレーズの滑らかさやテンポの安定がはっきりわかり、モチベーションが上がります。
よくある質問
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Q. 88鍵は必須でしょうか?
クラシック曲を本格的に弾きたい場合は将来的に必要ですが、ポップスやコード弾きなら 61鍵でも問題ありません。
Q. 夜の練習は近所迷惑になりますか?
ヘッドホンを使えばほとんど聞こえません。鍵盤を弾く際のコツコツ音だけは残るので、壁から少し離して設置すると安心です。
Q. 調律は不要?
電子ピアノもキーボードも不要です。アコースティックピアノは年 1〜2 回、1 回 1 万円程度の調律費がかかります。
Q. 古くなったら売れますか?
電子ピアノは購入後 3 年以内なら定価の 40〜60 % で下取りされることもあります。キーボードは人気機種や限定カラーだとフリマアプリで意外な高値が付くこともあるので、箱や付属品を保管しておくと有利です。
電子ピアノとキーボードの違いと選ぶコツ
- 基礎をしっかり固めたい方(子ども・クラシック志望の大人)
→ ハンマーアクション 88 鍵の電子ピアノがおすすめです。 - 気軽に弾き語りや作曲を楽しみたい方
→ キーボードで十分スタートできます。必要に応じてペダルとスタンドを追加してください。 - 迷ったら店舗での試弾や レンタルを
実機にピアノに触れてみて、好みの機種を見つけましょう。
電子ピアノとキーボードは 「どちらが優れているか」 ではなく、「今の目的に合っているか」 で選んでみてください!