ピアノの鍵盤は88 鍵ですが、それに対して指は片手 5 本しかありません。そこで重要になるのが指番号(1〜5)と指使い(運指)です。
正しい指使いを理解すると、弾きやすさがアップし表現力も向上するなど、様々なメリットがあります。
今回は、今日から役立つピアノ指の動かし方について解説します。
指番号の基本 : 1~5は親指から小指までの数字

指番号は親指から順に 1 ~ 5。右手も左手も共通です。
真ん中のド付近に両手の親指 1 を置くのが入門の定番です。
上記の動画と楽譜を参考に、基本の指番号を覚えながら練習してみてください。
「指くぐり・指またぎ」の基本 –ドレミファソラシドを滑らかに
右手の上り
「ド 1 」→「レ 2 」→「ミ 3 」→ 親指くぐり → 「ファ 1 」→「ソ 2 」→「ラ 3」 →「シ 4 」→「ド 5 」↓
右手の下り
「ド 1」 ←「レ 2」 ←「ミ 3」 ← 親指またぎ ← 「ファ 1」 ←「ソ 2」 ←「ラ 3」 ←「シ 4」 ←「ド 5」
左手の上り
左手は小指 5 スタートでミで親指をくぐらせる。右手の鏡映しです。
「ド 5」→「レ 4 」→「ミ 3 」→「ファ 2 」→「ソ 1 」→ 親指またぎ → 「ラ 3」 →「シ 2 」→「ド 1 」↓
左手の下り
「ド5」 ←「レ 4」 ←「ミ 3」 「ファ 2」 ←「ソ 1」 ← 親指くぐり ←「ラ 3」 ←「シ 2」 ←「ド 1」
なぜ「指番号・指使い」が上達の近道なのか?

初心者向けの楽譜や教本には、指番号が書いてあることがありますが、指番号を無視して弾くと「途中で指が足りなくなる」「滑らかに弾けず音が切れる」など、うまく演奏できないことがあります。
指の動かし方が分からないまま自己流で進むと必ず壁に当たってしまいますので、特に最初のうちは指番号に従って練習していき、適切な指の動かし方を体で覚えていきましょう。
指番号を無視すると起こること

弾きにくい:適切な指番号でない場合、無理に弾こうとして手首を捻ったり、次の音に進めず行き止まりになってしまう場合があります。
音楽表現の制限:指くぐりが上手くできずに、音が途切れ途切れになり、音楽を表現できなくなります。
正しい指使いの決め方

- 音型を観察:跳躍・スケール・アルペジオなどパターンを把握。
- 動きを最小化:手首の移動を減らし、同じ場所に長く滞在する指使いを探す。
- 親指は白鍵が基本:黒鍵は親指以外の長い指で。例外もあります。
- 同じ指の連打を避ける:隣接音の連続は、使う指を替えましょう。
- フレーズ単位で確認:1小節だけでなく前後を通して滑らかか確認。必要に応じて楽譜に書き込む。
指番号が分からないときの対処法

- 練習曲を参照
ハノンやツェルニーの定番練習曲には“決まった指使い”が書かれています。迷ったら類似音型を検索。 - プロの楽譜を手本にする
市販スコアや先生の運指も勉強になります。 - あえて別案を試す
使用する指番号には個人差があるので、別案を試してみるのもOK。
指番号を「無視」しても良いケース

手が極端に小さい/大きい場合は、記載の指番号通りに弾けないこともありますので、その場合は適切な指番号を再設定する必要があります。
また、動かしやすい指や運指の好みも人それぞれなので、ご自身に合った指の動かし方を探していきましょう
ただしフレーズ単位で音が滑らかか、指や身体に無理がないかを必ず確認しましょう。
ピアノ上達のための“運指トレーニング”

- ストレッチ:気持ちいい範囲で、各指を反らしたり指の間を広げたりしてリラックス。
- ハノン:指の独立運動を鍛えられます。
- スケール・アルペジオ:ゆっくり始めて段階的にテンポアップ。粒を揃える意識で弾きましょう。
よくある質問
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Q1 指番号を完全に守らないとダメ?
A 必ずしも守る必要はありません。原則は“合理性”なので、手の大きさや曲に合わせて変更可能です。
ただし初心者は、まずは楽譜通りに体へ指の動かし方を覚えさせるのが、上達への近道です。
Q2 黒鍵を親指で弾いてはいけない?
A 弾いてはいけないという決まりはなく、状況によっては親指でも黒鍵を弾きます。
ただし親指が奥へ入り込み他の指が届かなくなるため、基本は黒鍵は親指以外で弾くことは知っておきましょう。
Q3 指番号を書いていない楽譜はどう読む?
A 似た音型の運指を思い出して弾いてみましょう。
弾きにくい場合は、奏法動画で手元を観察したり、ピアノの先生に聞いてみたり、自分の手で試してみてください。
指番号を理解してピアノを上達!
- 指番号は無視すると遠回りなので、特に初心者は体に覚えさせましょう。
- 正しい決め方のコツは「動きを少なく」「同じ指連打を避ける」「指くぐり・指またぎをスムーズに」
- まずはドレミファソラシドをなめらかに弾いてみましょう。
初めは数字を追うだけで精一杯でも、続けるほど指は勝手に鍵盤を覚えます。
今回ぎ紹介した方法で“自分に合った指使い”を身につけ、自由なピアノ表現を楽しんでください!